6人が本棚に入れています
本棚に追加
数日が経ち、9月24日。今日は由紀の命日だ。
優は片手に花を持ち、由紀の墓へと供える。両手を合わせ、目を瞑る。
後ろの方から、女性の声がする。
「優ーー君?」
目を開き、後ろを振り返る。そこに立っていたのは由紀の母親だ。
「こんにちわ」
優は頭を下げた。
「やっぱり優君だったわ。こんにちわ」
由紀の母親も頭を下げ返した。すぐに頭を上げ、話をし始めた。
「貴方に来てもらえて、きっと由紀も喜んでいるわね」
優は作ったような優しい笑みで言った。
「そんなこと、ないですよ」
本当にそんなことはないと思う。もしそう思ってるなら、夢の中で「ありがとう」と言ってきてもいいはずだ。
最初のコメントを投稿しよう!