普通って何…?

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「……何?」 「何ってご飯。って!何その顔ぶっさいく!」 とりあえずテーブルにおかゆを置いて もぞりと動く、蓑虫みたいなお兄ちゃんの 顔を覗き込みに行ったら思わず吃驚しちゃった。 泣きはらした目はボンボンに腫れていて、 鼻水はだらだら垂らして顔が真っ赤っかだった。 いつものイケメンって女子にちやほやされる顔が台無しだ! 「ぶさいくで悪かったな」 「ごめんごめん。 そんなに具合悪いの?」 「…………なあ、俺のこと嫌いになった?  俺、お前に嫌われてこんなに凹むだなんて……我ながら情けない。ごめんな」 ――ッ、 僕の腕を掴んでじっと見つめてきた。 捨てられた子犬みたいなショボンとしたその目に 僕は身動きがとれなかった。 僕は何てバカなことをしたんだろう。 皆にどう言われたって僕は気にしない。 同級生に色々言われるよりも お兄ちゃんの懇願するような今の声の方がツライ。 シュンヤお兄ちゃんを悲しませる方がツライ。 「ごめんなさい。嫌いじゃないよ好きだよ。だいすき。  また一緒にご飯食べよう。はやく良くなってね」 この大きな蓑虫をぎゅっと抱きしめてお願いをした。 僕だって、この一週間ツラかったんだ。 シュンヤお兄ちゃんと一緒に居たい。 だから、皆がいう、普通なんていらない。 普通じゃ無くても、 シュンヤお兄ちゃんと一緒なら幸せなんだから――
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