3.

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クニヒロはそっと、あたしの腕を離した。 「セイナ」 「あたしも一緒に行きたい」 「お前、酔いすぎ」と、振り返ったクニヒロは笑っていた。 だから、泣きたくなった。 「あたしね。ずっと……」と、言いかけると、「そっちにベッドあるから。先寝てろ」と、顎でさす。 「え?」 「すぐ帰ってくる」 あたしの腕をとると、ベッドまで連れて行った。一緒に腰を落として、スプリングが揺れる。 「クニヒロ」 「すぐ帰ってくるから」 諭すように言うから、あたしは、許せなかった。クニヒロのシャツの裾を引っ張って、嫌だ、と横に首を振った。 困ったなとクニヒロは呟いた。 子供になりたい。子供になりたい。 泣きじゃくって、困らせる子供になりたい。
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