馬車旅

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ちょこっと笑うと、左の頬をつねられた。 「はにゃ」 変な声が出る。 痛くはなかったけれど、さする。 「無理はするな」 してないけどな、と思いつつ、ミナは、はい、と答えた。 つねられた頬に残った感触が、どこか心地いい。 しばらくさすってから、ミナは窓の外を見た。 彩石の気配が色濃い。 ああ、ユーカリノだな、と思った。
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