馬車旅

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「まあ、ミナは乗ったことあるんですの?」 「あるよ。真昼の時。フェスジョアの実家からユーカリノの自宅まで帰るときにね、ちょっと長めに、レグノリアまで行ったんだ」 「自宅?ですか?」 「ああ、実家から離れて、ユーカリノで選別作業してたからね」 「そういえば、選別師をしていらしたのでしたね。そうですわよね。ユーカリノに住んでいなければ困りますものね」 考えの至らなかった自分を恥じるように、サリは赤くなった。 「ミナ、そろそろ」 セラムが言い、立ち上がると、外へ出る。 勘定は経費で落とすと言って、先に払っていた。 店のすぐ外にはハイデル騎士団のアニーステラ・キャル…アニースとスティルグレイ・アダモント…スティンがいて、警戒をしていたようだった。 「じゃあ、ここからは別々だね。3日後にまた会おう」 「はい!」 サリは緊張の面持ちでミナを見た。 これまで助けてくれたひととはここで一旦別れる。 次会う時に、笑顔で会えるように。 頑張ろう、と改めて思った。
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