第一章 ≪原罪≫と≪大罪≫

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 まるで猫のような少女が、唐突に放った衝撃的な言葉。   「ちょっとちょっと?あんた何ナギんとこ居座るみたいに言ってんの?」  それに激しく反応したのは、まゆだ。 「なんにゃ?その反応。もしかして嫉妬かにゃ?」 「なっなあ!?どうしてそう思うの!?」 「にゃ~。認めにゃいのは、見苦しいにゃよ~。ニヤニヤ」 「あぁあぁあぁ!?にゃーにゃーうるさあぁあぁいっ!?あとニヤニヤと口に出して言うなぁあぁあぁあっ!」 「にゃ~。お前うるさいにゃ。もう少し音量下げてくれないかにゃ?」 「うるさいのはお前だあぁあぁあっ!!あと音量ってなんだあぁあぁあっ?あたしは機械じゃなぁあぁあぁいっ!!」 「にゃ~。にゃかにゃか鋭い突っ込み!お前意外とやるにゃ?」 「んなことで感心すんなあぁあぁあっ!!この馬鹿猫おっ!!」 「馬鹿猫じゃにゃいにゃ。みゃーは左猫にゃ」 「知るかあぁあぁあっ!!」  そんな光景を見ながら、凪は考えていた。  ――どうしようか、と。  しかし、救いの手は意外なところからやって来た。  唐突に、携帯の着信音が聞こえてきたのだ。 「え?誰の?」 「あたしじゃないよ?」 「僕のでもないよ?」 「にゃ。みゃーのだにゃ」 「最近の携帯はすごいんだねー。とうとう獣でも使えるようになったんだー」  しかし花那はその皮肉を聞いていないのか、そもそも気にしていないのか、電話先の相手と話している。 「にゃ?それは本当なのかにゃ?」  そこで花那は、初めて真剣な顔つきになった。  内容が嫌なのか、その声には若干の不満が混じっていた。  そうして二言三言話していたかと思うと、申し訳なさそうな表情をして凪のほうに向き直って、 「にゃ~。悪いけどご主人、みゃーはちょっと急用ができたにゃ」  と言って、鈴を渡した。 「その鈴にゃらしたら、みゃーはご主人のとこに駆けていくからにゃー」  そして彼女は、身軽な猫のごとく家の屋根から屋根へ跳び移って駆けていった。 「…………そういや名前、言ってなかったや」
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