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ヴァージンロードの向こうには、新郎が白のタキシードを着て立っている。
その新郎のイケメンたるは否や、鷲上さんもラム肉野郎も凌駕する勢いだ。
まさに空から舞い降りた天使。ダビテ像。
鼻梁高く、その上ちょっと釣り上がった目はどこか野性的で鋭いのに、後ろへ流す様にセットされた髪が知的な雰囲気を醸し出し、私のタイプ、高学歴高収入そうなオーラを放っている。
先ほど床に落ちたのは眼鏡だったのか、眼鏡をかけたその人は、頬に手を当てながら私に微笑んでいる。
「いい加減、馬鹿な夢から覚めて頂けませんか?」
「え?」
「いつまで蛙みたいにみっともなく足を広げて眠ってるんですか。痴女ですか、汚いですよ」
ばっちーんと音が鳴り響くほど勢いよく足を閉じさせられた。
「何度も締めても開くんです。建てつけが悪いのか本当に蛙になったのか」
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