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「えっと……?」
ズキズキと痛む頭を押さえながら周りを見渡す。
どっかの会社から配布されてそうなカレンダーが貼られ、荷物置きの箱の中には私のバッグやコートがぐちゃぐちゃに入れられている。
私が眠っているのは、鷹上さんのホテルのベッドではなく、硬くて寝心地の悪い安そうな簡易ベッド。
おまけに新郎のタキシード服姿の天使かと思っていた相手は、白衣を着て頬を押さえている。
「……病院?」
「ゆるゆるの頭でも、理解できるのですね。正解です」
偉いですねーと子どもみたいに褒められ拍手された後、その人のちょっと赤くなった頬を見る。
間違いない。さきほど寝ぼけながら振り上げた拳がクリーンヒットしている。
「昨晩、酔いつぶされ体よくタクシーで追い出されそうだった貴方を私が保護しました」
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