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「貴方が……」
凄く私の事を見下しているのは分かるのだけど、でも。
『あの、医者ですよね? 収入いくらですか?』と思わず聞いてしまいそうになるほど、格好良い。
私の理想が全て揃っている。
「あの……お礼を」
「お礼なら身体で結構です」
整った顔が近づいてくる。
やはりこれはまだ夢を見ているのだろうか。
私の身体でいいのなら勿論オッケーだ。
しかもこの状況って、私に一目ぼれして保護してくれたのかもしれないし。
突発的な行動だとしたら、避妊せずそのままデキ婚を狙えるかもしれない?
また安っぽいベッドに押し倒されて、イケメンな医者の顔を見上げる。
「いいんですね?」
「はい」
もちろん。願ったり敵ったりということはこの事だろうか。
「ですが、抱いたら蛙になるかもしれませんよ」
「……蛙?」
首を傾げる私に対し、目の前の金のなる木はクククっと拳を口に当てて上品に笑った。
「貴方が眠っている時に、貴方の腕に注射をしました。――蛙になる薬を」
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