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「そんなことあるわけないじゃない!」
「あるんですよ。宮島伊織さん、29歳」
「は?」
「航空会社の土産物屋勤務の前は、激務で合コンにも街コンにも行かなかった保育士。彼氏はいたことはあるが、腹黒く、勝気で可愛げのない計算高い性格ゆえ中続きせず、お肌の曲がり角。初恋の彼は野球部キャプテンで、昔からミーハー気質があり、初めてはそのキャプテンに、思い出を下さいと自分から」
「なんでそんなこと知ってるの!」
キャプテンの事は友達にも言ってないのに。
すると、医者は椅子に座ると長い脚を組む。
「私は魔法使いですから。貴方が人を見下し、傷つけ、自分勝手に婚活しているのを見て、腹が立ちましてね」
「べ、別に貴方には関係ないじゃない」
「さっき、あんなど派手な下着を、おもいっきり足を広げて見せてきたのに、ですか」
「それは謝ります、けど、そんな冗談面白くないって」
「――じゃあ試してみますか?」
白衣を脱ぎながら、彼が挑発するように唇を舐め口を薄く開ける。
「貴方に呪いをかけました。次に本当の運命の相手じゃない人に蛙のように足を広げたら、本当に蛙になってしまうと」
「う、うそ」
でも左手を見ると、注射を打たれ包帯を巻かれている。
さっきチクっと夢の中で刺された様な気がする。
「蛙になっても良いなら、――今からとても気持ち良くさせてあげますよ」
うう。
そんな挑発ずるい。
「声が蛙のようにガラガラですよ。……私に足を開くから」
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