婚活ウォー?!ズ!

20/30
前へ
/31ページ
次へ
「げろ?」 私を知ってるのかと思わず首を傾げた瞬間、蛙の様な声を捻りだしてしまい慌てて口を押さえた。 「なかなか近くに居ても会えないのに、珍しいねえ。お土産屋さんの制服も可愛いじゃないか」 可愛い。 その言葉が胸の中でエコーするほど、29歳には嬉しい言葉だ。 「院長、ナンパですか」 「可愛い奥さんにいいつけますよ」 「息子さん、泣きますよ」 スーツ軍団が冷やかす中、その枯れイケメンは頭を掻いて苦笑している。 「違うよ。2件隣の家の、女の子なんだ。弟の幼馴染み」 ……え? もしや。千葉病院の跡取り、千葉司さん? 「ヴィヴィン。ま"-ま”-! ちばざぁん」 女子力捨てて淡を切ったが、声は戻らない。 酷い声だった。 「あはは。喉が腫れてるのかな。無理に声ださないで。そうそう、昨日から旺大が家に帰ってるから会ってやってよ。婚約も破棄しちゃって、出世の道も閉ざされたし」
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

150人が本棚に入れています
本棚に追加