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「げ、超おっぱいでけー」
玄関のチャイムを押すと、すらりとした美少年が、私の胸を見下ろしながら素っ頓狂な声をあげた。
「わー、めっちゃいい。ねえ、お姉ちゃん、彼氏いないの?」
家から出てたった数分で、私はナンパされたらしい。
睫毛が女の子みたいに長くて、手足がすらりとして顔が私より小さい様なイケメンに。
「こら、類(るい)、ご近所さんをナンパするな」
「え、ご近所さんなの?」
「二つ向こうの馨さんのお姉さんだ」
私服はびっくりするぐらいダサい司さんが玄関で、美少年を怒った。
なんで襟を耳に当たりそうなほど立ててるの?
なんでバーバリーのポロシャツをズボンにインするの?
なんで、おじいちゃんみたいな色のスラックスなの?
「えー、じゃあこのお姉さん、妹の方が先に結婚したの? 超かわいそー」
ドン、と頭にタライが落ちたような衝撃。
何を言ってくれるんだ、この美少年は。
「俺でよかったら貰ってやるよ。あと六年は無理だけど」
「……ゲロ」
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