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奥から出てきたのは、なんというか、十人並みとうか、クラスに一人や二人はいそうな平凡とういか、とくに褒める部分がない様なお嬢さんが立っていた。
この人から美少年が生まれたの?
「伊織ちゃん、僕の奥さん、うちで扱ってる製薬会社の会長のお孫さんで、すごいんだよ。華道や茶道、おまけにお琴が上手でね」
「初めまして。噂はかねがね伺っています。庭にある枝が折れたサクラの木はほとんど貴方が折ったとか。楽しそうな方だと聞いています」
喋ったのは旺大だ。あいつ今度見つけたら尻にサクラの木をぶっさしてやる。
「ごめんなさいね。今日は肉じゃが作ってたんだけど来客が来るって言うから間に合わないし量を増やそうって思ってカレーにしたの。途中まで肉じゃが作ってたから、お水じゃなくて、かつお出汁で作ったの」
ああ。だから和風の匂いがしたんだ。良い匂いだった。
テーブルには、ただ切って盛りつけられた野菜サラダに、ベーコンがぼここぼこ入った大人のポテトサラダとシンプルだった。
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