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昨日、魔法使いの部屋から飛び出して家の前に現れたと持ったのは、この家に浚われていたからか。
「残念ながら、私は重病です。金持ちの家に生まれ、兄が跡取りだと分かって、何も自分に価値がないとぶくぶく太って卑屈な時に重大な病気にかかりました」
「そりゃ贅沢してたら、病気にかかるよね」
「初恋の人と結婚がしたいって言う重病です」
自分でも、その病気の正体を婚約するまで分からなかったのですが、と魔法使いは付けたした。
「……旺大、貴方に足を開いたら私は蛙みたいに醜く見えないかしら?」
「見えないでしょうね。私は今もずっと魔法にかけられたように貴方だけを思っていたので」
視線が合わなくなった鷹上さんのニュース番組を消し、和風カレーの良い匂いが鼻を掠めながら、私と旺大が顔を見合わせて笑うと、蛙が小さく鳴いた。
お互いを知るために私たちは笑う。
私たちの戦いはこれからだ。
Fin
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