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甘えた声で撫でるように、首を傾げながら言う。
すると目を細めて、小さく口笛を吹くのが分かった。
「ああ。良ければ上のBARにでも」
「……貴方の取った部屋じゃあ駄目かしら」
目と目で駆け引きをする。遊びなれた大人のおことの方が、そんな回りくどいことをしなくても、女性が喜ぶ行動を熟知していると思う。
そして何と言ってもこの人の――声。
心まで濡れてしまいそうなほど、低く掠れてセクシーだ。
「こんなおじさんをからかうなんて、悪い人だ」
「連絡くれた時点で、期待してたの。……貴方みたいな魅力的な人、こうして会うチャンスなんてもうないしね」
「分かった。じゃあ部屋にさらうよ」
腰に手を回され、ぐっと耳元に唇を寄せられ話されたら、昇天してしまいそうなほど甘く痺れた。
ああ。イイ。
その声で全身を溶かされたい。
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