一、運命的な失言

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「やはり一度抱かれたからか、お互いの気持ちが分かるのだな」 抱いてねえし。こいつ頭おかしいし。 でも何故か、さっきまで振っていた稲妻がぴたりと止んでいる。 「因みにだな、俺の機嫌を損なうと、そこの森で待機中の一億メートルの触手たちが一斉に村を襲うから気を付けろよ」 「触手って一匹とかで数えなくてメートルなのかよ」 怖え。隣に並んで歩くのも怖い。 てか、こいつのオーラマジやばい。 レベルいくつなんだよ。俺、遊び人レベルなら称号テクニシャン貰ってるけど、絶対こいつとか倒せない自信しかねえよ。 本当にこんなオーラの魔王(まだ本当に魔王とは信じられないけど)に、リーは勝てる勇者の力を持っているのか。 疑問に思っていたら、前から白馬が近づいてくるのが見えた。 「グー! 来てくれたのかっ」 白馬に乗ったリーが、俺達の前に現れる。 「なんで魔王の俺を白馬の上から見下そうとしてんだ、あの小僧」
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