結婚式してみようかな。

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レイニンちゃんの記憶から、俺は真実を一つだけ知っている。 「弱みを見つけたつもりなのか、お前は先日からそこばかりチクチク攻めてくるが、問題ない」 「真実なんですか」 「200年前の話だ。もう居ない相手の事を俺は引きずらない。お前も忘れればいい」 魔王らしい脅しの言葉。 その言葉がなんだか弱々しくて、頼りない。 俺だけが知っている真実。 魔王はその昔、自分に初めて背いた人間に惹かれていた。 きっと恋とか愛とか言葉でその感情を表すには、200年経った今難しいだろう。 魔王の心には、今も200年前に会った勇敢な勇者の姿がそこにあるんだ。 「あんた、今から俺と結婚するって騒いでるらしいじゃん」 「まあな。お前は可愛いし面白いし、俺と対等で在ろうとして生意気だから」 縛りつけてみようと思ったんだ、と魔王は言った。 昔々の勇者に俺は言いたい。 アンタが魔王を病ませてしまったせいで、俺は囚われて、二の舞にならないように縛りつけられようとしてる。 でも本気で抵抗しようにも、変な情が沸いてできないのは、勇者のせいなのか。魔王のせいなのか。 200年前の勇者に会って言ってやりたい。
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