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つまり、俺は二番目(?)の花嫁であって本命ではない。
そりゃあ、村の女性たちには未婚、未亡人、恋人あり、婚約者ありと色んな人たちがいたけど、女性だったらどんな容姿や年齢でも俺の生活を支えてくれるエンジェルたちだから愛したよ。
でも順番なんてつけられなかった。
誰かの代わりに抱いていたわけじゃないんだよ。
「うーん。うーうーん」
「どうした? 全然エロくない喘ぎだが、そんな喘ぎで大丈夫か?」
「喘いでないじゃん。どう見ても悩める美少年じゃないっすか!」
全く俺の美少年心の分からない魔王に、殺意に近い何かが沸く。
「俺、こんなに美形なのに200年前の勇者の代わり、もしくは二番目みたいな扱いなのは、可哀相だなって自分を自分で慰めてやりたい」
「だから、初代勇者などもう終わった話だ」
不機嫌そうに目を開けた魔王は、俺の不貞腐れた顔を見て面食らっている。
「でも、その勇者がわすれられていませんよね」
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