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「一番なら、結婚するのだな」
「まあ無理ですよ、この称号テクニシャンの俺でも一番は無理でした。いくらエッチが上手くても甘い言葉を放っても、身体で寂しさを埋めようとする人って大体本命の恋人や旦那には勝てないんです」
まあ逆に一番になりたいって思わない俺にとっては都合が良かったけど。
生きるために本命を作らなかった俺の美学が、ここで生きた。
「グーよ、言っておくが俺はこう見えて、心は童貞だ。お前が俺の一番大切なモノになってくれるのならば、俺は勇者のことは忘れる」
「無理無理。未亡人が一番、過去の記憶や思い出を大切にしますから。本当、無理ですね」
何かあれば、元彼のいい場所ばっか思い出して口論になり全然こっちの思う方へ進んでくれないんだから。
「では俺の魔法で勇者の記憶だけ消してしまおう」
「あれ? 勇者なんて好きじゃないって言ってたのに、記憶を消したいってやっぱり」
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