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太陽の光を背に、輝きなぎら現れたリーは、荒い息を吐き、急いでくれたのか額に汗を浮かばせて俺を見ていた。
「……空気を読め、勇者」
「え、でも今、10キロ先の乗馬場にも聞こえるほどグーが叫んでいたから」
10キロ先まで聞こえるわけない。こいつは耳が良いだけだ。
でもなぜだろう。
胸がトゥインクルトウィンクルしてる。
ドキドキと、白馬に乗った王子の登場に、俺は頬を赤めた。
やだ……今、少女マンガのヒロインの気持ちがわかっちゃう。
暴漢に襲われそうになった不安の中、こんなイケメン見たら誰だって恋に落ちちゃうわ。
トウィンクル、トウィンクル、ときめく心。
トウィンクル、トウィンクル、弾ける熱情。
ルルル、ららら、動き出す恋心。
BGMがピンク色に染まった頃、ようやくリーは察したのか顔を真っ赤にする。
「え、あ、え、そのプレイですか?」
「んなわけあるか! 助けろ」
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