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リーは少し迷ったみたいだが、ローから俺を引き剥がした。
「えっと、婚前前なのでもう少し慎んだ方がいいのではないでしょうか」
「酔った勢いで抱かれた相手なので、慎むモノは何もない」
抱いてないってば。
それなのに未だ指輪の効力で反論は難しかった。
それはもうどうでもいい。
リーの背中に隠され守られると、胸がトゥクン、トゥクンする。
まるで、恋みたいな、変なドキドキだ。
「俺の花嫁はここでガキの情操教育にもなるから色々教えてやろうと思ったのだが、それよりお前はスピーチはちゃんと考えてるんだろうな」
俺はしっかりしたリーの肩に頬を押しつけながら恋にも似た、心臓不全に悩まされている。
そんな中、ローはスピーチとか馬鹿か。
「えーっと、俺、魔王とグーの慣れ染めがいまいちわからなくて」
「じゃあ酒場で世界平和についての話し合い会で、とかどうだ?」
「あー、ナンパを言い変えた表現だね。貰います」
「雑談してんじゃねー。リー、お前、……お前」
怒鳴りつけようとしたのに、リーの顔を見ると頬を染めてしまった。
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