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「そうです。式まではやはり清い関係が美しいです」
リーの真面目すぎな性格がこんな時に活用できるとは思わなかった。
「ふーん。いいわねえ。絶対楽しいわよ。私、香をしたためた紙いっぱい持ってるからあげるわ。魔王にもガチムチな男の姿に戻って説得してきてあげる」
「あざーっす」
が、レイニンちゃんがちらりと俺を見た後、爪先から頭のてっぺんまでまじまじと見た後、視線をずらした。
「何?」
「あとで少しお話があるから、二人ではなしましょうね。じゃ」
そう言うと、そそくさと去っていく。
けれど俺は、途端に二人っきりになってしまって胸をときめかせてしまったのだった。
いやいやいや、たしかに勇者の妻なら、ヒモ生活より楽だし裕福だろうけど、まずこいつは女無理だし。
なんで俺と同じ竿と玉を持っている奴にときめくんだ。
「グイード君、一瞬で帰されたけど魔王に会って来たわよ」
束の間の二人っきりを壊され、複雑なままレイニンちゃんを見た。
「ほら、早速魔王から手紙」
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