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「恋人を取られた勇者を見て、興奮しそうよね、確かに」
うんうんと、レイニンさんは頷く。
ということは、ローは俺を襲いつつもその頭では、恋人を取られた勇者を想像しているってことか。
「転生じゃないから、前世の記憶が無くてよかったってことだな」
「貴方やリカルドくんには寝耳に水って感じかしら。200年生きてきた私たちにしか分からないのよ」
「え、レイニンさんは魔王の気持ちが分かるの?」
驚いて声を荒げた俺に、レイニンちゃんはしっと人差し指を立てようとしたが、間違って触手の鈴口に深く差しこんだ。
コードレス触手携帯は、死んだ。
そのただの触手になったモノを握りながら、笑う。
「悲恋ほど、後世に語り継がれ、美化されるでしょ。それって、忘れられないのよ。体験した人も、聞いた人も。ハッピーエンドより凌辱ENDの方が感想が多いのと同じよ」
全然違う。
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