一、運命的な失言

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「……200年前ねえ」 適当に相槌を打ちながら、リーの出発する村の噴水前に誘導する。 「勇者は俺好みの美男子だったから、一緒に世界を手にしようと誘ったのに俺を封印しようとしやがった。……信じていたのに。俺は愛していたのに。やはりあの時、触手でじっくり何年も快感地獄を味あわせ、次にオークの玩具にしたあと、俺の人形にしておけば」 「モウシワケアリマセン、ヒトリゴトガ、ブッソウデス」 何も聞こえない、何も聞こえない。 「因みに、200年前は自分の事を余(よ)と言っていた。『ふふふ。余の魔剣のごとく高ぶった熱芯で己を貫こう』とか雰囲気格好良いじゃん? 封印から起きた後は私。『私の手でこんなにとろとろにして、なんともあさましい奴ですね』とか雰囲気がちょっと知的かなって」 うわあ。 この自称魔王って人、すげえ早口でなんか恐ろしいこと言ってるし若干中二臭い。 しかも例文がどうみてもホモ臭いけど、勇者にナニしてんだ? 「今の時代は、自分の事を俺と言うのが流行ってるからそう言ってみたがどうかな」 「ステキダトオモイマス」
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