一、運命的な失言

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こいつ天然なくせに鋭いって言うか。 生まれ持った性質なのか才能なのか。 「……リー、俺、女性のハレムとかで働けねえかな」 「王都にはハレムないよ。それに王都の王子は傍若無人な変態らしくって未だに独身だって」 「世の中変態だらけだな」 「グーが言うなんて、己の性質をしらないのかな」 何気にきついことを言われたが、先は不安しかない道中をリーと楽しんだのだった。 「王都セーメノーリッバは、大きな壁で覆われていて世界最強の要塞とも言われているんだけど、扉は常に開いているから要塞としての機能は微妙だよ」 「ふーん」 心底どうでも良い話だ。大事なのはそんなことではない。 「それぞれの門に、結界を守ってる美女がいるらしけど」 「うおしゃー! 俄然やる気出てきたわ」 「100歳越えてると思う」 99歳までが範囲の俺は再びその情報の前で死んだ。
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