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その夜、俺は魔王のモノである指輪をはめられてしまっているので、王都に入る前結界に邪魔されてしまった。
ので、美しく時が停まった結界の守り主である美女を抱いた。
「王都セーメノーリッバかあ。王ってどんな奴なんだろうな。リーを一億倍良い奴にした人物だったらどうしよう。面倒だなあ」
「もうグーったら。お城がもう見えるって位置で、よくもまあそんなこと言えるよねえ」
リーを乗せた馬車が王都に入るが、歓迎モードの村とは違い、家から誰も出て来なかった。
みたこともない格好良い家が並ぶ中、人も見えない王都を進むと、近所の山みてえな大きな城が現れた。
周りを湖で覆っているようで、ゆっくり重たそうな橋が城から下りてくる。
「いくよ。王子と謁見だ」
「あー、馬車で待っとく」
「……魔王がその指輪の力でグーを見つけるのは時間の問題だけどいいの?」
咄嗟に魔王が現れて、リーが居なかった場合間違いなく俺は助からないか。
「行くよ」
「そうだよ。王子だって待ってるのに」
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