始まるよ~☆

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始まるよ~☆

 …――今日はエイプリルフール。  ウソをついてもいい日。むしろウソをついて楽しむ日。とはいっても僕らにとっては普通のお昼であり彼女と一緒にアパートの一室で遅めのランチをとっていた。ご飯を食べながら何気なく『水着ばかりの運動会』なる季節外れの下らないテレビを見ていると。  彼女が意外な一言を発する。 「ごめんね」  アパートの目の前にある国道を走る車達が行き交う音が耳の中で木霊する。  とても無機質でさして珍しくもない町の日常。  微笑む彼女。  これもまた僕の愛しき日常。  そんな平凡な日常の中で起きた少しだけ不可思議でちょっぴり興味を惹かれる一時。 「?」 「今日中に君を騙しちゃうけどさ。本当にごめんね」  ……なんの話だ?  僕は彼女のあまりの唐突さに言葉を失う。 「今日はエイプリルフールよ。君はあたしに騙される。絶対にね」 「絶対なんてこの世に存在しないさ」 「でも絶対の絶対なの」
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