天井のウジ虫

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 次の日、仕事から帰ってくると、またハエがいるんですって。「あれ?」Yさんは首をかしげながらまたハエを退治しました。部屋にゴミは何もなかったんです。台所の排水溝とかトイレとか全部調べたけど、何もハエが発生するようなものはないんです。  ベッドで横になってYさんは気付いたんです。天井の電気です。蛍光灯に白いカバーが付いている一般的なやつだったんですけど、その中に虫の死骸ってよく入ってるじゃないですか。見ると確かに小さなハエがいるんです。しかも生きてる。よく見ると小さなウジ虫までいるんですよ。 「え? まじかよ」  Yさんは慌ててカバーを外そうとしたんですけど、なかなか外れない。ああいうのって簡単に外れるようだと突然頭上に落ちてくることもあるし、結構複雑な仕組みだったりするんですよね。汗だくになってやっと外したんです。ベランダに行ってカバーを逆さまにして、虫を全部追い出して、もう一度天井に装着です。  翌朝、起きてみると、天井のカバーの中にもう虫がいるんですよ。ウジ虫が。しかも十数匹です。Yさん思わず声が出たそうです。びっくりして。カバーを外すのは結構手間だし、会社もある。そのままにして会社に行ったんですよ。     
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