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「そうと決まれば、明日は早速街の案内ね。ミル」
「はい。私がご案内します」
「おお、そりゃ助かるよ。ありがとう」
街案内…なんてワクワクテカテカなイベントだ。
「それから、図書館に寄っていきなさい。『彼女』なら何か分かるかもしれないわ」
「彼女……?」
「ええ、古くからの知り合いでね。悔しいけどあれは天才よ。ただちょっとおかしいところがあるけれど……」
「心配なのだけれどもそれは」
天才は変人揃いって言うけど!
「大丈夫よ。恐らく私の紹介なら妙な真似はしないはずだわ多分きっと」
玉虫色どころの返事じゃねーな。
「で、本当は、ほんっと~~は私が行きたいところだけど……明日は大事な集会があってね。結果を教えてくれればいいわ」
シオンはすごく残念そうに言った。
断る理由もないので、「了解」と答える。
「ミル、しっかり頼んだわよ」
「お任せ下さい」
「迷子になったら?」
「警ら隊です」
「よろしい」
なんだこのやり取りは。
「明日は私がみっちり案内して差し上げますからね!」
「おおう。たのしみだ」
妙にやる気満々なミルを尻目に、俺は新しい生活に心を踊らせるのであった。
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