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以上が、今朝俺が目覚めるまでのハイライトだ。
何を言っているのか分からないが、事実なのだから言い換えようもない。
ただ1つ言えるのが、今がちょっと異常な状況だということだ。
「(落ち着け、こんなときこそ落ち着いたやつが勝利する)」
とりあえずそう自分に言い聞かせ、俺は目線だけを動かして辺りを探る。
まず、自分の胸あたりに見える白布はおそらく毛布の類だ。
多分ベッドの上に寝ているんだろうと推測する。
時刻は、夕陽が見えるので恐らく五時三十分を過ぎたかどうかというところだろうか。
俺の周りにあるものは、机、椅子、本棚等々。ただし二十一世紀日本では珍しい形のものばかりだ。
……結論は、『なるほど、わからん』であった。
「あ、目が覚めました?」
ふと、そんな声に、俺は視線を傾ける。
「よかったぁ……あの、お水よかったらどうぞ」
「う、うん、ありがとう」
そこには、美しい水色の髪を持つ少女が居た。
俺は少々緊張して、ぎこちない動きでコップを受け取る。
「あのー、ここはどこ?君は誰?」
「私はミル=フランシウムと言います。ここは私の部屋ですね」
―――うーん、と……?
質問に対する返答に、俺は首を捻った。
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