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部屋の前まで来ると、薫は鍵を開けて、二人を中に入るよう促した。
(女の子の部屋を急に訪ねた時あるあるみたいなのはないんだな…。“ちょっとだけ外で待っててー!!”とか…。)
中に入ると予想通り物が少なくて、キッチリと片付いた、無駄のないシンプルな部屋だった。
(卯月さんらしい…。)
志信が部屋の中を見回していると、薫が志信の背中をグーで殴った。
「あんまりジロジロ見ないで。どうせ、男の部屋みたいだって思ってるんでしょ?」
「思ってないよ!!」
梨花は二人の様子をニコニコして見ている。
「ホントに仲良しですねぇ。」
「あ…いや…。」
「もう…。それじゃ、早速料理するから。なんにもないけど、適当に寛いでていいよ。」
薫は肩にかかった髪を束ねて、キッチンで手を洗い、買ってきた食材を袋から取り出した。
(台所に立つ姿もいいなぁ…。)
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