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「遅かったね。」
タバコを買って席に戻った志信に、薫は怪訝そうに声を掛けた。
「ああ、うん。途中でちょっと気になる店があったもんだから。」
「ふーん。」
さして興味も無さそうな薫の様子に、志信は少し寂しさを感じた。
(“なんの店?”とか聞いてくれないんだ。)
「全然飲まないのも物足りないなぁ。ビールの一杯くらいは飲まない?」
「少しなら。」
志信は店員を呼び止めてビールを2つ注文してからタバコに火をつけた。
運ばれてきたビールで乾杯して、タバコを吸いながら何か話題はないかと考える。
(そう言えば…。)
「長野さん、あのケーキ食べきれたかな。」
「ああ、全部食べたって言ってたよ。美味しかったって。」
「そうなんだ…すごいな…。いい誕生日祝いになったかな。」
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