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志信がタバコを吸い終わる頃、注文していた料理が運ばれてきた。
料理を口に運びながら、志信は薫に尋ねる。
「卯月さんは誕生日どうしてた?誰かにお祝いとかしてもらった?」
(男と二人でお祝いした…とかじゃなければいいんだけどな。)
志信は尋ねてから少し不安になって、おそるおそる薫の返事を待つ。
しかし薫は気にも留めない様子で、ハンバーグをナイフで切り分けている。
「普通に仕事して、帰りに高いビール買って、家で御飯作って、ビール飲みながら食べた。」
ある意味薫らしいと思いながら志信は尋ねる。
「お祝いはしてないの?」
「誕生日がめでたいような歳でもないよ。」
「誕生日はいくつになってもめでたいよ。お祝いしてないなら…オレがしようか。」
志信の言葉に薫は怪訝な顔をする。
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