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「しようかって、何を?」
「誕生日のお祝い。」
「それはいい。」
瞬時に断られ、志信は慌てて食い下がる。
「なんで?しようよ。」
「いい。また歳取るような気がするし。」
「えー…。」
(そういう問題?)
薫はハンバーグを口に運びながら、やけにガッカリしている志信の様子を不思議に思って尋ねる。
「笠松くんってお祝い好きなの?」
「なんで?」
「長野さんの誕生日のお祝いもしてあげたじゃない。お祝いとかパーティーが好きなのかなって。」
「…違うよ。」
(卯月さんだから、遅れてでもお祝いしたかっただけなのにな…。全然わかってないよ…。)
「気持ちだけもらっとく。ありがと。」
薫に素っ気なく断られて、志信はため息をついた。
(ウサギのネックレス、プレゼントするタイミング逃しちゃったな…。やっぱりオレからもらったって、嬉しくもないか…。)
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