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薫は堪らず思いきり浩樹の手を振り払い、耳を塞いだ。
「もうやめて!!なんで?なんでそんな事が言えるの?あんなひどい捨て方しておいて…奥さんも子供もいるくせに…また私を都合のいい女にしようと思ってるの?今更そんな事聞きたくない!!」
浩樹は小さく肩を震わせる薫を抱きしめて、優しく頭を撫でる。
「ごめん…。ホントにごめん…。でも、薫が好きなんだ。」
「やめてよ…。もうあんなみじめな思いはしたくない…。」
「彼女とは去年別れた。薫の事を忘れられないままで、結婚生活がうまく行くはずなんてなかったんだ。」
「そんなの…私には関係ない…。」
薫が浩樹の腕から逃れようと身をよじると、浩樹は更に腕に力を込めた。
「薫…もう一度、オレと付き合って欲しい。」
「何言ってるの…。ふざけないで…。」
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