2532人が本棚に入れています
本棚に追加
薫が玄関のドアを閉めようとした時、少し離れた場所に立ち尽くしている志信の姿に気付いた。
(笠松くん…?!なんでここに?今の、見られてた…?)
薫は志信から視線をそらし、身動きもできないでいた。
志信がゆっくりと近付いてきて、静かに口を開いた。
「昨日の事…謝ろうと思って…。」
「え…?」
「あんな遅い時間にあんな所に置いてきぼりにしてごめん。オレもちょっと酔ってた。」
「うん…。」
薫は志信の手に握られた小さな紙袋を見て、できるだけ平静を装って尋ねる。
「買い物にでも行ってたの?」
志信は紙袋を隠すように後ろ手に持ち直した。
最初のコメントを投稿しよう!