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「ああ…うん。すっげぇかわいい子がいてね…その子に似合いそうだなって…。プレゼントしようかなって思ってさ…。」
「そうなんだ。その子の事、好きなの?」
薫の問い掛けに、志信は少し笑った。
「うん…。すっげぇ好きなんだけどね…。オレの片想いなんだ。」
「そう…。笠松くんにも、そんな人がいるんだね。だったら尚更…私なんかに冗談ばっかり言ってちゃダメだよ。」
「うん…。」
ほんの少しの沈黙が流れた。
薫は財布の中の五千円札を志信に返そうと思っていた事を思い出し、玄関に置いたままだった鞄を引き寄せた。
「昨日のお金、返すね。」
「いや…。いいよ。お詫びに取っといて。」
「でも…。」
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