不器用な二人

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随分夜も更けた頃、薫が相変わらずぼんやりとタバコを吸いながらビールを飲んでいると、突然スマホの着信音が鳴った。 (こんな時間に誰…?) 着信画面には、梨花の名前が表示されていた。 「もしもし…。」 「あっ、卯月さーん!!」 「どうしたの、こんな時間に…。」 「実は、終電逃しちゃって…。申し訳ないんですけど、今晩泊めてくれませんか?」 唐突な梨花の言葉に少し驚きながら、なんとなく一人でいるのは寂しいと思っていた事もあって、薫はその頼みを聞く事にした。 「いいけど…一人で来れる?」 「ハイ、すぐ近くなんで、今から行かせてもらいますね。」 「気を付けて。」 電話を切ると薫は、ビールの空き缶を片付け、灰皿に山積みになっていた吸い殻をキッチンのゴミ箱に捨てた。 (しかし珍しいな…。) 急に泊めてと梨花が言い出した事に、薫はほんの少し首をかしげた。 (まぁいいか…。明日は休みだし…。)
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