不器用な二人

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「どういう事ですか?」 「オレじゃダメみたいだ、って。もしかしたら恋人がいたのかも…。卯月さんから何か聞いてない?」 「卯月さんはそういう話、絶対に会社ではしないんです。私は何も聞いてませんけど…。」 「そうか…。でもさ、オレらにはわからないけど、アイツ、卯月さんの事、仕事熱心で、さりげなく気遣いできて、優しくてすっげぇかわいいって。笠松が卯月さんの事、すげぇ好きなのはわかるんだ。それなのに気持ちも伝えないままで終わっていいのかなって…。」 「そうですよね…。私もわかりますよ。笠松さんは、表面ばっかり見るんじゃなくて、卯月さんをまるごと好きなんだなって思います。」 「他に誰か恋人がいるってのも、笠松の勘違いかも知れないだろ?」 「わかりました。私、石田さんに習って、ちょっとお節介焼いてみます。」 「頼むよ。」 石田は封筒を紙袋の中にしまって、梨花に手渡した。 梨花は受け取った紙袋を大事そうに抱えてSS部のオフィスへ戻り、薫には気付かれないようにその紙袋を別の袋にしまった。
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