不器用な二人

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これでもダメかと思った梨花は、薫にカマをかけてみる事に作戦を変更した。 「えー、素敵な彼がいるんじゃないんですか?卯月さん最近キレイになったから、あの噂はホントなのかなーって。」 「えっ?それ誰が言ってたの?笠松くん?」 うまく食い付いたと、梨花は心の中でガッツポーズを取る。 誰が言っていたとも言わないのに、志信の名前が出てきた事は、予想以上の収穫だった。 「さぁ…。噂は噂ですよ。やっぱり、本当なんですね!!相手は誰なんですかぁ?卯月さんの恋人なら、きっと素敵な人なんでしょうねぇ。」 「違うよ…。そんなんじゃない…。」 「あれ?でもおかしいなぁ…。なんで、そこで笠松さんの名前が出るんです?」 梨花は小首をかしげて、かわいらしくジッと薫の目を見つめた。 「梨花、詳しく聞きたいなぁ。教えてくれないと、気になって眠れなくなっちゃう。卯月さんが教えてくれないなら、笠松さんに聞いちゃおうかなぁ。」
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