不器用な二人

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自分が思っていたのとは違うなと、薫は怪訝な顔をした。 「そんな事ないでしょ…。飲みに行こうって、いつも誘ってくれたのは笠松くんだよ?私には気を遣わなくて済んでラクだったのかな…。私が全然女らしくないから。考えたら、モテる笠松くんが、そんな私の事なんて好きになるわけないよね…。」 梨花の目には、薫が泣いているように見えた。 「卯月さんは、笠松さんといて楽しかったですか?」 「うん…他愛ない事話して、一緒に食べて飲んで、タバコ吸って、笑って…。もっと一緒にいたいなって思うくらい、すごく楽しかった…。だけど、笠松くんだってホントは、かわいい子と一緒の方がいいんじゃないかなってずっと思ってた。」 薫の閉じたまぶたから、滴が落ちた。 自分が泣いている事にも気付かないで、薫は話し続ける。 「ずっと同期以上の事は期待しないでって言ってきたくせに、どっかで笠松くんの優しさに期待なんかして…それなのに笠松くんが近付くとまた傷付くんじゃないかって怖くて素っ気なくして…。私ってバカだよねぇ…。そんな心配しなくたって…笠松くんは私なんかじゃなくて、かわいい子が好きなんだよね…。わかってるのに、気が付いたら笠松くんの事ばっかり考えてる…。」
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