不器用な二人

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梨花は薫の隣に座り、優しく背中を撫でた。 「素直な卯月さん、かわいいですよ。私は大好きです。」 「ふふ…。ありがと。私も長野さん、妹みたいでかわいくて好き。」 薫が涙目で笑ってそう言うと梨花は微笑んだ。 「卯月さん、ちゃんと好きって言えるんじゃないですか。」 「え…?」 「前の恋がちゃんと終わってなかったから、ずっと悲しくてつらくて、また恋をして傷付くのが怖かっただけなんですよね。だから踏み出せなかったんでしょう?」 「どうかな…。」 「卯月さんの気持ちは、卯月さん自身にしかわかりません。本当はどうしたいのか、自分の気持ちに正直になって下さい。」 「どうしたいのか…?」 「そろそろ、目をそらさないでちゃんと見てみませんか?そうすれば、卯月さん自身が本当に好きな人も、卯月さんを本当に好きだと思ってくれてる人も、わかると思います。」
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