想いを伝えて

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薫のおかげで仕事もだんだん楽しくなり、本社のSS部に配属になった後も、薫は仕事の悩みを聞き、気に掛けてくれた。 ある時には梨花のミスでやり直す事になった入力作業を、事務職とカウンセラーとでは仕事の内容も違うのに、遅くまで残業して助けてくれた事もあった。 決して口数は多くないし、愛想笑いもしないけど、梨花にとって薫は、誰よりも優しく頼もしい先輩だ。 いつも仕事の面では助けてもらってばかりなのだから、こんな時こそ力になりたいと梨花は思った。 志信はメールの受信音で目覚めた。 ぼんやりとした頭でメールの受信画面を開く。 “おはようございます♪ 笠松さんにお届けしたいものがあります。 今日の夕方、おうちにいてもらえますか?” 梨花からのメールに、志信は首をかしげた。
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