想いを伝えて

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梨花は、薫が今まで着た事もないような女性らしい洋服を、次から次へと手に取って、薫の体にあてがった。 ああでもないとか、これはかなりいいかもとか言いながら真剣な表情で服を選ぶ。 薫は首をかしげながら、着せ替え人形のようにされるがままになっていた。 (なんかよくわからないけど…とりあえず任せてみようかな…。) なぜ今、洋服を買うのかもわからないが、自分のために一生懸命になってくれている梨花の厚意を、ありがたく受け取っておこうと薫は思った。 それから洋服を買い、それに合う靴を買い、使った事もないような化粧品とマニキュアを買った。 どれも派手ではなく、どちらかと言うと控えめで清楚な感じの色合いに、薫は少しくすぐったいような、それでも少し心が踊るような、不思議な気分だった。 (女の子がオシャレする時って、こんな気分なのかな…。)
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