想いを伝えて

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薫のマンションから10分くらい歩いた所にあるマンションに辿り着くと、梨花は当たり前のようにスタスタとエントランスを通り抜けた。 「あのー…ここは?」 「いいからいいから♪」 梨花がある部屋の前に立ちチャイムを押すと、ゆっくりとドアが開く。 「ハイ…。」 薫は聞き覚えのある声にドキッとした。 (えっ…?まさか…。) 「お届けものです。」 梨花は薫の腕をグイッと引いて志信の前に立たせ、ポンと背中を押した。 梨花に背中を押された勢いで前のめりによろめいた薫を、志信が慌てて受け止めた。 「えっ…ええっ?!」 突然の事に、志信も薫も慌てふためいている。 「あのー…長野さん…?これはその…。」
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