想いを伝えて

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志信は薫を部屋に案内すると、キッチンで二人分のコーヒーを入れながら考える。 (お届けものって卯月さんの事だったのか?!二人で話してって…何を?) 急に部屋で二人っきりにされて、その上、薫がいつもと違う女性らしい格好をしている事に改めて気付き、志信は急激にドキドキし始めた。 (お…落ち着けオレ…。とにかく、理性崩壊して無理やり押し倒したりとかするなよ。卯月さんが嫌がるような事だけは、絶対に…。) コーヒーを持って部屋に戻ると、薫は薫で、落ち着かない様子でソワソワしていた。 志信はできるだけ平静を装い、緊張で手が震えないように細心の注意を払って、薫にコーヒーを差し出した。 「とりあえず…コーヒーでも飲んで。」 「ありがと…。」 薫は志信から受け取ったコーヒーをゆっくりと一口飲んで、少しの間、考え込んでいるようだった。 そして、何かを思いきったように顔を上げた。
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