別れを告げた恋、始まった二人の恋

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心配そうに見つめる志信に、薫は穏やかに笑って見せた。 「大丈夫。家には入れないし…話が済んだら電話するから…家で待ってて。」 「…わかった。じゃあ…また明日。」 「うん。」 志信は一度薫の手をギュッと握りしめてから、ゆっくりと手を離し、ポンポンと頭を撫でて、来た道を帰って行った。 志信の背中を見送って、薫はひとつ大きく息をつき、浩樹の方へとゆっくり近付いた。 「薫…今の…。」 浩樹は遠ざかって行く志信の背中をジッと見ている。 「彼とは付き合ってないって…。」 「うん。あの時はまだ違ったから…。でも、今は…私の、大事な人。」 「彼の事が、好きなのか?」
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