別れを告げた恋、始まった二人の恋

8/30

2521人が本棚に入れています
本棚に追加
/289ページ
「浩樹との事、長い間誰にも言えずに苦しんで来たけど…私は彼のおかげで、やっと前に進もうって思えるようになったの。だからもう…浩樹との未来は考えられない。」 「……そうか…。道理でキレイになるわけだな…。」 寂しげに作り笑いを浮かべて、浩樹は薫を見つめた。 「あの時は別れの言葉もなかったから、今度こそ浩樹との事、ちゃんと終わらせたいの。」 「…ホントにごめんな…。」 浩樹はつらそうにうつむいて、拳をギュッと握りしめた。 「そう思うなら、次の人には悲しい思いはさせないでね。」 「ああ…。」 薫は微笑みながら、しっかりと浩樹の目を見て別れの言葉を口にした。 「さよなら、浩樹。」 「…薫…さよなら…。」 薫は浩樹に背を向けて歩き出した。
/289ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2521人が本棚に入れています
本棚に追加