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やっとの思いでお風呂から上がった薫は、グラスに注いだ冷えたビールを、一気に喉に流し込んだ。
「もう…体がいくつあってももたないよ…。」
「あれくらいで?」
志信は事も無げに笑ってビールを飲んだ。
「さっきの話の続き、聞きたいな。志信は遊び人だったの?」
「学生の頃とか入社してしばらくの間は、そこそこ遊んだかな…。でも薫の事が気になり出したら、だんだん他の子には興味なくなっちゃった。薫が好きだって自覚してからパッタリ、誰とも遊んでないし付き合ってない。」
志信はタバコに火をつけかけて、やめる。
「薫のタバコちょうだい。」
薫は笑ってタバコを差し出した。
「ずっと前から好きだったって、いつから?」
タバコに火をつけながら、志信は考える。
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