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「バイト歴長いから7年くらいの差がある。だから余計に怖がられて、同期と馴染めなかったんだけど…。」
「オレも最初はそう思って近寄りがたかったけど…時々一緒に仕事してるうちに、印象がどんどん変わった。だんだん気になって、気が付いたら好きになってた。」
志信の言葉に少し照れながら、薫はビールを一口飲み込んだ。
「好きになる要素なんてないでしょ…?」
「あるから好きになったんだろ。販売事業部に配属になった時は“これでやっと同じ本社勤務だ!”って嬉しかったんだけどな。逆に接点が少なくなって、ガッカリしたよ。」
「確かにそうだね。」
「全然顔合わさないしな。だから、あの飲み会の時はチャンスを逃すまいと必死だった。」
薫はあの飲み会の時の志信の様子を思い出して笑った。
「そうなんだ。道理でやけに馴れ馴れしいと思った。」
「そんな風に思われてたの、オレ…?」
肩を落として呟く志信に薫はまた笑う。
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